研究課題/領域番号 |
12440060
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米谷 民明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10091521)
|
研究分担者 |
橋本 幸士 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80345074)
加藤 光裕 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80185876)
風間 洋一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60144317)
|
キーワード | 超弦理論 / M理論 / 量子重力 / 超対称性 / 行列理論 / 非可換場の理論 / 超重力理論 / 統一理論 |
研究概要 |
1 超膜理論と行列弦理論(米谷):前年度の行列弦理論と超膜理論の関係に関する結果にもとづき、M理論の11次元時空の対称性について考察を進めた。M理論のコンパクト化(半径=R)された方向へのinfinite momentum frame(IMF)で定義される行列理論と、超膜自体を11弦方向に巻きつけて、それに直交する方向に関するIMFでの記述に対応する行列弦理論がR→∞の極限では同等な理論を与えることを示した。 2 PP-wave極限におけるholographic principle(米谷):AdS/CFT対応の特別な極限としてのPP-wave limitでのholbgraphic principleの解釈について明確な理解がされていない。そこで、AdS/CFT対応が、半古典的な描像ではトンネリング現象であるという新しい観点を提唱し、PP-wave limitでのholographic principleに対して明確な定式化と弦場理論の構造についての予言を与えた。 3.行列理論と超対称性および超弦の共変的定式化(風間):M理論の要であるDO粒子の有効作用が、超対称性のみによって微分展開の4次までの範囲で二つの定数を除いて完全に決定されることを示し、M理論の行列模型の「非繰り込み定理」の明確な証明を与えた。また、超弦理論の共変的量子化の研究を行い、既存のピュアスピノル形式を拡張した拘束のない新しい定式化を提唱した。 4 格子上の超対称ゲージ理論(加藤):超対称性を持つゲージ理論において具体的な物理量の計算や超対称性自体の破れなどの非摂動的な問題を調べるため格子上での定式化が昔から試みられてきたがこれまで成功していない。前年度、新しいアプローチにより超対称性の元になるフェルミ的対称性を見いだした。今年度は、ゲージ場のみの場合の相構造やフェルミオンに対するマヨラナ条件と格子構造の関係等を明らかにした。 5超弦理論におけるタキオン凝縮(橋本)超弦理論における開弦のタキオン凝縮について研究を進めた。特にその時間依存性を見ることによって超弦理論の非摂動的物体であるDブレーンがどう崩壊するかを調べた。崩壊によりブレーン上の自由度が何故伝播しなくなるを明らかにし、spacelikeブレーンと呼ばれる新しい種類のブレーンがこの崩壊過程を記述するのに役立っていることを示した。
|