研究概要 |
KEN Bファクトリ加速器は世界最高のルミノシティー6.6×10^<33>/cm^2/secを達成した。Belle実験のデータ収集も順調に進み、平成13年度末時点で積分ルミノシティ約60pb^<-1>に達した。これらのデータから、τレプトン事象候補を含むサンプルを抽出したデータを名古屋大学高エネルギー研究室の計算機システムにおいて管理し、さらに物理解析に必要なシミュレーションによる大量の擬似データを発生させて、グループ内の解析に供した。また、関連するテーマとして、Bクオークからのレプトン対生成事象サンプルとシミュレーション擬似データの整備、発生を行った。 データ解析においては、τ対生成におけるCP/T非保存パラメーターの上限値の測定は、τレプトンの電気2重極モーメント(の限界値)と関連付けられる。平成13年度夏までのデータサンプルを用い、τのeμ,eπ,μπ,eρ,μρ,πρ,ππ,ρρ終状態への崩壊モードから、以前の上限値を一桁更新する値を得た。 また、τ→μγ崩壊の探索により、レプトンフレイバー非保存(LFV)の上限値を求めた。これまでで最も感度の良い探索はCLEOによるものであるが、それとほぼ同等の感度を得た。さらに精度を上げるべく解析が続行している。 さらに、レプトンが絡む新物理探求テーマとして、Bメソンのレプトン対を放出する稀崩壊B→Kμμの有意のシグナルを初めて得た。 上の3つとも、7月にローマで行われたレプトン/フォトン国際会議に寄稿論文として報告した。
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