研究課題/領域番号 |
12440069
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
岡田 憲志 京都産業大学, 理学部, 教授 (90093385)
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研究分担者 |
吉村 喜男 KEK, 素粒子原子核研究所, 教授 (50013397)
小林 正明 KEK, 素粒子原子核研究所, 教授 (40013388)
竹内 富士雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (40121537)
千葉 雅美 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60128577)
牧 孝 産業医科大学, 環境管理学部, 教授 (40037198)
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キーワード | QCD / ハドロニック原子 / シンチレーティングファイバー / DIRAC / カイラル摂動 / トポロジロルートリガー / π^+π^-原子 / ππ散乱長 |
研究概要 |
1.CERNで取得した大量のデータを日本で処理するため、前方トリガー検出器系に後方検出器を接続させるレイトレースを用いた多粒子トラッキング解析のオフラインプログラムの開発と解析を行った。 2.1999年度取得したデータの予備的な解析結果から、Pt箔を標的として生成されたπ^+π^-原子(A_<2π>)からの解離π^+π^-対を有効相対運動量Fが2MeV/c以下の領域で160±45事象観測している事が明らかになった。A_<2π>のこのように明瞭な観測は初めてである。 3.2000年度は、延べ約200日・人のCERNでの実験参加で、主にTiを標的としデータの取得を行った。数種類の標的で実験データを取る事により、A_<2π>の寿命、つまりπ^+π^-の散乱長を求めQCDのカイラル摂動計算から求めた値との比較が可能となる。 4.国内で検出器系とトリガー系の開発と試験が可能になるように、PCとCAMAC/VMEからなるデータ取得システムを開発した。 5.現レベル2トリガー系のSCIFIホドスコープで検出できていない距離1mm以内の超近接パイ粒子対を分離測定するために、標的下流に0.01T・mの永久磁石を挿入した場合のシミュレーションを行った。その結果、相対運動量X成分が3MeV/cなら完全に分離可能であることが判った。2001年度に新しい直径0.25mmのSCIFIホドスコープの増設と合わせて永久磁石を設置する事にした。この設置により、測定する全運動量領域で穴のないトリガー系とオフライン解析時のトラッキングが可能となる。
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