研究課題/領域番号 |
12440069
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
岡田 憲志 京都産業大学, 理学部, 教授 (90093385)
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研究分担者 |
吉村 喜男 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 名誉教授 (50013397)
小林 正明 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40013388)
竹内 富士雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (40121537)
千葉 雅美 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60128577)
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キーワード | QCD / ハドロニック原子 / シンチレーティングファイバー / カイラル摂動 / トポロジカルトリガー / ππ散乱長 / π^+π^-原子 / PSPM |
研究概要 |
1.2003年度は5月20日から9月7日まで、本科研費を使い上記5名研究者で延べ約140日間にわたりCERNでのDirac実験(PS212)に参加した。8μm厚12層のマルチレーヤーTi標的を含む複数の標的を用いπ^+π^-原子の寿命測定データの取得を行った。総厚みが同じ単層標的と多層標的のデータの差を取ると、クーロン対やバックグラウンドの影響のない純粋にπ^+π^-原子の標的中での解離事象だけが観測することができる。 2.2000年度から2002年度までのデータ解析の結果、求められたπ^+π^-原子の寿命の統計精度は14%程度であり、QCDの検証に必要とされる精度10%は今年度取得したデータの解析によって達成される予定である。これは、π粒子の散乱長の精度にして5%に対応する。現在2002年度までの結果を投稿中である。 3.今年度の検出器の追加・改良として、前方検出器群の間のトラッキングを取ることのできるマイクロドリフトチェンバーをテスト的に挿入して今年度ラン後半の測定を行った。ここまでの測定システムをNIMに発表した。 4.本実験と並行して、7月26日から8月17日までの3週間、T11テストビームコースで新しいウルトラファインシンチレーティングホドスコープ検出器の性能試験を行った250μm直径のファイバーを用いたホドスコープの位置分解能はドリフトチェンバーの領域に近づいている。 5.このπ^+π^-原子の寿命測定の発展として、π^+π^-原子のより精密な測定とπK原子の寿命測定を計画しているが、現在日本で建設中のJ-PARKにLOIを提出し採択された。今後CERNとJ-PARKでこの研究の発展を図る。
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