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2000 年度 実績報告書

II-VI族半導体ZnOのd-p混成と電子強誘電性の発現機構

研究課題

研究課題/領域番号 12440078
研究機関北海道大学

研究代表者

小野寺 彰  北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40142682)

研究分担者 佐藤 博康  国立函館工業高等專門学校, 電子学科, 教授 (20149892)
キーワード化合物半導体 / II-VI族半導体 / 強誘電体 / d-p混成 / 電子強誘電性 / ドーピング / 機能性材料 / 酸化亜鉛
研究概要

II-VI族半導体ZnOにLiドーピングすると強誘電性を示すことを発見した。この強誘電性は従来の結晶の対称性低下を伴なう構造変化による典型的な強誘電性相転移とは異なっている。ZnOの誘電特性は、ZnとOのd-p混成が大きく関与しているが、d電子を持たないアルカリイオンであるLiイオンのドーピングはこの混成を変化させると考えられる。
本研究では、Li、Mg、Beなどのドーパントを入れた試料を作製し、d-p混成と強誘電性の発現機構の解明することを目的にしている。現在までに、
(1) ドーパントのイオンサイズの相違によるサイズ効果より、Zn3d電子の挙動が強誘電性に関係していること、
(2) Liドープにより、結晶中のZn3d電子が欠如していることが明らかになった.
これらの事実はd-p混成が強誘電性に起源に密接に結びついている事を意味する。
ZnOは初めての電子強誘電体であることを示唆する。この結果は、ドーパントにより、この物質の特性を半導体、透明伝導体、強誘電体に制御できる事を意味し、ICやメモリーデバイスへの機能性キーマテリアルとしての応用の可能性を示している。
特に、現在精力的に研究されている強誘電体メモリー(FeRAM)や光IC、化合物半導体太陽電池などへの応用が期待される。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 小野寺彰: "II-VI族半導体の強誘電性"固体物理. 35. 755-761 (2000)

  • [文献書誌] A.Sakai 他: "Micro-Raman Scattering Spectra of Ferroelectric Zn1-xLixO"Ferroelectrics. 239. 133-140 (2000)

  • [文献書誌] S.Hagino 他: "Electronic Ferroelectricity in ZnO"Ferroelectrics. (in print). (2001)

  • [文献書誌] K.Yoshio 他: "Crystal Structure of ZnO : Li at 293K and 19K by X-Ray Diffraction"Ferroelectrics. (in print). (2001)

  • [文献書誌] H.Satoh 他: "Effect of Cu-Doping on II-VI Semiconducting ZnO"Ferroelectrics. (in print). (2001)

  • [文献書誌] E.Islam 他: "Optical Phonons in Ferroelectric-Semiconductor Zn0.8Li0.2O Single Crystal Studied by Micro-Raman Scattering"J.Phys.Soc.Jpn. 70. 576-581 (2001)

  • [文献書誌] A.Onodera 他: "Frontier Science Series : Ferroelectric Materials"Novel Ferroelectricity in Li-substituted ZnO. 30 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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