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2000 年度 実績報告書

ナノスケール軟X線分光系の開発と電子系励起状態研究への応用

研究課題

研究課題/領域番号 12440079
研究機関東北大学

研究代表者

寺内 正己  東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (30192652)

研究分担者 齋藤 晃  東北大学, 科学計測研究所, 助手 (50292280)
津田 健治  東北大学, 科学計測研究所, 助手 (00241274)
キーワード軟X線分光 / 局所領域 / 電子顕微鏡 / 電子系励起状態
研究概要

1.これまで放射光施設等で用いられてきた斜入射X線分光系を基に、電子顕微鏡用の軟X線分光系を設計した。電子顕微鏡に装着するためコンパクトな分光器が必要であることから、不等間隔回折格子を用いた平面結像型分光系を採用した。電子顕微鏡と分光器の間にゲートバルブを設けることで真空排気系を独立にし、電子顕微鏡本体への影響を最小限にとどめるようにした。
2.コンパクトな分光器の難点は分散能が小さいことである。この難点を克服するため、大型の分光器で用いられている検出器よりも位置分解能に優れているCCD検出器を採用した。CCD検出器のタイプとしては、軟X線に感度のある背面照射型CCDとした。また、電子顕微鏡の真空の劣化を避けるため、高真空対応の容器を備えたCCDを採用した。さらに、微弱信号を捕らえるためにはCCDを冷却してバックグラウンドを低くする必要がある。そのため、CCDで通常用いられている2段の電子冷却ではなく、より冷却能力の高い3段電子冷却を用いた。
3.製作したX線分光器を現有設備である透過型電子顕微鏡に装着してテストを行い、電子顕微鏡を用いたボロン、窒化ボロンの軟X線スペクトルの測定に成功した。電子顕微鏡を用いた価電子帯状態密度分布の測定に成功したのは本研究が初めてである。
4.実験の結果、分光器に次の改善余地があることが明らかになった。1)回折格子・検出器の位置の微調機構の追加、2)検出器へ入る迷光等の外乱防止用のスリットの増設、3)検出効率等の向上のため、検出器の大型化とバックグラウンドを押さえるための冷却能力の向上、などが望まれる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Terauchi: "Development of a sub-eV resolution soft-X-ray spectrometer for a transmission electron microscope"J.Electron Microsc.. 50・2(印刷中). (2001)

  • [文献書誌] 寺内正己: "電子顕微鏡用軟X線分光器の製作"東北大学 科学計測研究所報告. 49・1. 61-66 (2001)

  • [文献書誌] M.Terauchi: "Production of zigzag-type BN Nanotubes and BN Cones by Thermal Annealing"Chemical Physics letters. 324・7. 359-364 (2000)

  • [文献書誌] K.Tsuda: "Distinction of Space Groups(I23 & I213)and(I222 & I212121)Using Coherent Convergent-Beam Electron Diffraction"Acta Cryst.. A56・4. 359-369 (2000)

  • [文献書誌] K.Saitoh: "Distinction between the space groups having rotation screw axes, which are combined with 2 fold rotation axes, using the coherent convergent-beam electron diffraction method"Acta Cryst.. A57・2(印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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