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2002 年度 実績報告書

軌道自由度の臨界現象とダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 12440092
研究機関東京大学

研究代表者

廣田 和馬  東京大学, 物性研究所, 助教授 (90272012)

キーワード軌道自由度 / 電荷四極子 / 中性子散乱 / 放射光共鳴X線散乱 / Mn酸化物ペロブスカイト / RB_2C_2 / 電子的相分離 / CeB_6
研究概要

本研究では、単に軌道自由度が磁性や伝導に及ぼす影響だけではなく、軌道自由度そのものが主役となる相転移現象に着目し、A.軌道自由度が他の自由度と強く結びついた系(3d遷移金属酸化物)、B.軌道自由度間の相互作用によって秩序化する系(4f希土類化合物)の2つを選んだ。
A.に関しては、以下の通りである。
1.層状Mn酸化物ペロブスカイトLa_<2-2x>Sr_<1+2x>Mn_20_7(x=0.5)の共鳴・非共鳴X線散乱研究を行い、A型反強磁性・電荷秩序・軌道秩序に対応する3つの秩序変数の観測に成功した。観測結果から、電荷・軌道秩序は同一の相を形成し、A型反強磁性と電子的相分離していることが明らかになった。
2.Lu_2V_2O_7の偏極中性子回折実験を行い、強磁性秩序と軌道秩序の関連について明らかにした。
B.に関しては、以下の通りである。
3.HoB_2C_2において中性子散乱および共鳴X線散乱研究を行い、反強磁性相関が極めて強い中での反強四極子秩序転移の詳細を明らかにした。
4.反強四極子秩序系の典型物質とされるCeB_6において共鳴X線散乱研究を行い、反強四極子秩序の過程と構造に関する詳細を明らかにした。
平成14年10月に東北大学大学院理学研究科から東京大学物性研究所に転任した。平成14年度後半では、高エネルギーX線回折装置と本研究費で購入したワイヤーソーを用いた単結晶試料アセンブルシステムの構築のための研究を行った。これは大型単結晶を得ることが困難な物質において、軌道自由度が関与するダイナミクスを中性子散乱によって研究するための有力な手段となる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] A.Tobo, K.Hirota et al.: "Antiferromagnetic Order Above Antiferroquadrupolar Transition Temperature of HoB_2C_2"PhysicaB. 312-313. 853-854 (2002)

  • [文献書誌] Y Wakabayashi, K.Hirota et al.: "Resonant X-ray Study on the Bi-Layered Perovskite Mn Oxide LaSr_2Mn_2O_7"Journal of Physical Society of Japan. 72, Vol.3. 618-626 (2003)

  • [文献書誌] H.Nakao, K.Hirota et al.: "Observation of AFQ Ordering in CeB6 by using RXS technique"Journal of Physical Society of Japan. 71, Supp.. 103-105 (2002)

  • [文献書誌] T Matsumura, K.Hirota et al.: "Resonant X-Ray Studies of the Quadrupolar Orderings in RB_2C_2 (R=Dy, Ho)"Journal of Physical Society of Japan. 71, Supp.. 91-93 (2002)

  • [文献書誌] T Matsumura, H.Nakao, K.Hirota: "Search for Hidden Orders -Antiferro-Quadrupole Ordering in f Electron Systems -"Solid State Physics(固体物理). 37, Vol.9. 83-92 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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