研究課題/領域番号 |
12440119
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤本 博巳 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50107455)
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研究分担者 |
金澤 敏彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (30114698)
西野 実 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40322995)
三浦 哲 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70181849)
望月 公廣 東京大学, 海洋研究所, 助手 (80292861)
小泉 金一郎 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70107457)
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キーワード | 海底測地観測 / 傾斜観測 / 海底圧力変動 / 精密測位 / 堆積層 / 海底観測ベース / 日本海溝 / 深海堀削孔 |
研究概要 |
日本周辺の沈み込み帯は堆積物で覆われており、圧力観測と精密測位の長期観測は可能であると考えられるが、問題は傾斜観測である。そこで本研究は、パイプを打ち込んだ海底観測ベースを設置し,それを利用した傾斜観測を開始するとともに、海底圧力の連続観測と海底精密測位の繰り返し観測を行い、堆積層で覆われた海底における測地観測の有効性とその限界を明らかにすることを目指している。 平成12年度には、東京大学海洋研究所の研究船淡青丸による三陸沖の観測航海を行い、日本海溝陸側斜面の深海掘削孔周辺において、海底表層の調査を行い、観測候補点を選定した。その近傍に2台の海底圧力計を設置し、約6ヶ月間にわたって圧力変動の観測を実施し、潮汐変動の他に20日前後の周期をもつ圧力変動を観測した。センサーのドリフトがほとんどないことが確認できたので、2台の圧力計の差圧を観測することにより、分解能は低いが、長基線の傾斜変動をモニターできることが期待できる。また3台の音響測距装置設置予定点の近くに測器を設置するとともに、3台のGPSアンテナをブイに取り付けて、キネマティックGPSと音響測距を合わせた精密海底測位観測の実験を行った。三陸沖の実験は初めてであり、音響測距装置の音圧不足が明らかになり、航海終了後、装置を改良した。また東京大学の地震研究所の傭船により、三宅島近海においても2台の海底圧力計を用いて圧力変動の観測を実施し、検潮記録等との比較から、海底地殻変動と解釈できる変動を観測した。 傾斜観測に向けて、鉛直打ち込み方式の観測用ベースを試作し、岸壁試験と浅海試験を行った。淡青丸のピストンコアラーに合わせて、パイプの外径を92mmとした。浅海はほとんど砂に覆われているために、十分な長さを打ち込むことは出来なかったが、装置の基本的な作動を確認することができた。
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