研究課題/領域番号 |
12440121
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
米田 明 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (10262841)
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研究分担者 |
桂 智男 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (40260666)
鈴木 功 岡山大学, 理学部, 教授 (60033198)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 共振法 / ペロブスカイト / 下部マントル / 670km不連続 |
研究概要 |
研究期間中の成果を以下に要約する。 (1)ロックインアンプを導入し、ノイズに埋もれた共振シグナル検出を可能にした。現在高圧相焼結体を5-10MHz帯で測定しているがロックインアンプの使用は必須である。さらにロックインアンプはリファレンス信号の同相成分と1/4周期ずれた成分の両方を測定するので、その両方のバックグラウンドノイズを補正することにより歪んだ共振ピークの再現も可能になった。 (2)自作圧電素子により、50MHzまでの共振ピーク測定が可能になった。(1)の成果とあわせて、高周波共振法の更なる進展の基礎となるものである。 (3)直方体試料における共振周波数の荷重依存性評価。先に球試料で確立したバネモデルによる荷重依存性理論を裏付ける結果がでた。接触面に対し、変位が法線方向的なモードでは指数1/3が、せん断的モードでは2/3が適切なことが確認された。この知見は荷重依存性の指数をモードの同定に逆用できることを示唆する貴重な結果である。今後の低対称性鉱物の共振法弾性測定に応用できる(愛媛大 大野一郎教授との共同研究)。 (4)MgSiO_3ペロフスカイとの焼結体を合成して共振法による弾性定数の決定を行っている。現在までのところ50℃までの測定が行われ剛性率(μ)の温度依存性-0.0025GP/Kと決定された。先に測定したβ-スピネル、γ-スピネルの結果と合わせ、マントルの組成・構造についての考察を進めている。 本年度本研究課題が終了するまでに、下部マントルで最も重要なβ-スピネル、γ-スピネル、ペロフスカイトの弾性の温度依存性を測定することができた。まだ測定すべき鉱物も残っているし弾性の組成依存性の決定も今後の課題であるが、期間内にまとまった成果をあげることができ、また今後の発展のため技術革新も行うことができた。
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