研究分担者 |
石岡 圭一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (90292804)
石渡 正樹 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (90271692)
谷本 陽一 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00291568)
小高 正嗣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手
中島 健介 九州大学, 理学部, 助手 (10192668)
|
研究概要 |
海面水温の非一様性に起因する大気大循環の構造を水惑星実験によって抽出することを目指し,アンサンブル初期値応答実験のデータ可視化解析ツールの製作とアンサンブルデータの可視化を進めた. アンサンブルデータなどの大規模多次元データを扱うための計算技術開発的側面としては,ネットワークを介したデータ転送と解析の効率化のためのツール,gtool4,の開発を継続して進めた(http://www.gfd-dennou.org/arch/gtool4/).数値計算データはプラットフォームに依存しないnetCDF形式のファイルに格納され,インターネット透過な資源として解析に供せられる.netCDF形式の多次元データから任意の2次元を切り出して断面を取り出すためのAPIを設計・実装した(Slice-Scan API).Slice-Scan APIをもちいることにより,dcl(http://www.gfd-dennou.org/arch/dcl)を用いた多次元データ簡易表示ツールgtviewを実用レベルに立ち上げることができた. AGCM5水惑星実験のアンサンブル解析としては,赤道上におかれたSST異常に対する応答の因果律を調べるべく,試行数128のアンサンブル初期値応答実験によって得られたデータの可視化を進めた.アンサンブル平均は,格子点スケールならびに季節内変動スケールの降水活動に伴うノイズを大幅に軽減し,暖水域東側の変化が湿潤ケルビン波応答であると考えられる速度で進むことを明示した.詳細な動画解析により,ロスビー波応答が期待される暖水域西側の応答も水蒸気摩擦発散のシナリオと整合的であることが示されたが,東側の応答程明瞭な形では描けなかった.
|