本研究の目的(極域中層大気の擾乱特性とその作用の解明)で使用する各種データを入手、整備すると共に、各種解析プログラムを開発した。 整備したデータは以下の通りである。 客観解析データECMWF再解析データ(1979-1993年)、NCEP再解析データ(1958-1999年)、UKMO客観解析データ(1996-1997年) 人工衛星データTOMS(1979-1999年)、ILAS(1996-1997年) 開発したプログラムは、以下の通りである。 ・極域対応の2次元および3次元のトラジェクトリ計算 ・等圧面から等温位面への変換 ・ポテンシャル渦度の計算 ・等価緯度の計算、等価緯度に沿っての線積分 ・極夜ジェットの位置パラメータの計算 現在これらの整備したデータ及びプログラムを用いて統一的にデータを解析中である。 また、本研究課題の衛星観測データ、客観解析データに見られる擾乱の現実性を調べるため、専門の近い研究者による研究グループを組織し、来年度の南太平洋・南氷洋の航海が予定されている東京大学海洋研究所白鳳丸の共同利用に「赤道から南極までの広い緯度帯における海洋上成層圏の中小規模現象のラジオゾンデ観測」を応募したところ採択されたので、余剰金を用いてテスト観測等の活動を行った。 さらに、極域重力波に関するレビューペーパー、本研究課題と関連する中間規模波動、極域重力波の統計解析についての論文を出版した。
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