研究課題/領域番号 |
12440127
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 卓司 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (40217857)
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研究分担者 |
西 憲敬 京都大学, 理学研究科, 助手 (00222183)
堀之内 武 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助手 (50314266)
津田 敏隆 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (30115886)
藤原 正智 北海道大学, 地球環境科学研究科, 学振研究員
竹見 哲也 大阪大学, 工学研究科, 助手 (10314361)
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キーワード | 大気重力波 / メソスケールモデル / 水蒸気 / オゾン / 積雲対流 / 赤道域 / 重力波励起 / 対流圏成層圏物質交換 |
研究概要 |
積雲対流による大気重力波励起の数値実験 1992-1993年に行われた赤道域西太平洋での集中観測TOGA-COAREの観測データをメソスケールモデルARPSに取りこんで、3次元モデル中で発生する積雲対流により励起される大気重力波を調べた。モデルに分子粘性の扱いを追加するなどの変更を施して、地表面から高度120kmまでをカバーした。これは世界で始めての、降水過程を含むメソスケールモデルによる熱帯中間圏以上を含むシミュレーションである。本研究の結果、積雲対流が活発に重力波を励起することが示され、中でも位相速度の絶対値が50m/s以上の波動は中間圏を通り越して熱圏下部に達することが示された。一方、高度とともに波動の振幅が成長し、波-波相互作用が起きることから、平均流がほぼ一様にゼロに近い場合も、上記以下の位相速度の小さい波動は伝播しにくいことがわかった。また、中間圏界面に達する波動のほとんどは対流圏において生成され、成層圏以上での波動の生成は弱いことが示された。以上の成果に関し投稿論文を準備中である。 高精度水蒸気ゾンデによる観測 平成12年12月にインドネシアにて、対流圏界面近傍の微量な水蒸気および気温を測れる高精度水蒸気ゾンデとオゾンゾンデによる観測を行った。これにより、対流圏界面付近の波動と水蒸気量の関係を調べている。水蒸気量を対流圏起源で温度履歴つきトレーサーとして解釈し、オゾンを成層圏起源の保存的トレーサーとして扱うことで、大気波動に伴う赤道域の成層圏・対流圏の物質交換を調べる研究に着手した。
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