研究課題/領域番号 |
12440128
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
藤井 理行 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (20125214)
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研究分担者 |
塩原 匡貴 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助教授 (60291887)
神山 孝吉 国立極地研究所, 研究系, 教授 (70135507)
山内 恭 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 教授 (00141995)
東 久美子 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (80202620)
本山 秀明 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (20210099)
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キーワード | 固体微粒子 / 硫酸エアロゾル / 極地 / 火山灰粒子 / シベリア / 温暖化 / 氷霧 / ダストストーム |
研究概要 |
本研究の基礎データとして極域雪氷コアの固体微粒子、火山灰粒子、硫酸エアロゾル起源物質の分析を進めた。用いたコアは、南極ドームF深層コア、グリーンランドSite-J浅層コアである。固体微粒子分析は、1)レーザーパーティクルカウンターを用いて直径0.52μm以上の固体微粒子の濃度と粒径分布、2)レーザーパーティクルカウンターの測定限界以下の粒径分布と濃度を明らかにするため、サンプル濾過フィルターの電子顕微鏡写真による0.2μm以上の固体微粒子の濃度と粒径分布について行った。その結果、氷期-間氷期サイクルの変動は、氷期の進行とともに、個数濃度が増大するとともに1μm付近の粒径を持つ粒子が増大することが明かとなった。また、グリーンランドでの過去300年程の変動は、数十年の周期で広域のダストストームが起ったことが明かとなった。南極ドームFコアに見られた火山起源の固体微粒子につては、数十μmの粒径と化学組成から給源火山は南極あるいはその周辺の火山噴火によることが明かとなった。また、赤道付近の大規模火山として1815年に噴火したタンボラの火山灰粒子を調べ、その粒径分布は数μmと微細な粒子であることが明かとなった。硫酸エアロゾル起源の非海塩性硫酸濃度については、氷期サイクルと過去数百年スケールでその変動を明らかにした。また、地球上で最も顕著なシベリア域での過去数十年の温暖化のメカニズムとして、冬期の朝、接地逆転層内で凝結核として大気汚染物質が氷霧を形成し放射冷却を妨げるというシナリオを考え、その検証の一環として過去30年間のロシア国内の氷霧の発生頻度を含む気候データを収集した。
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