• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

新しい太陽風加速理論のための観測的制約の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12440130
研究機関名古屋大学

研究代表者

小島 正宜  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70023687)

研究分担者 林 啓志  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, COE研究員
藤木 謙一  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (20303597)
徳丸 宗利  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60273207)
キーワード太陽風 / 太陽活動 / 惑星間空間シンチレーション / 計算機トモグラフィ / 電波観測 / 計算機シミュレーション
研究概要

IPS観測データを用いた太陽風速度構造の研究、および、電磁流体力学(MHD)方程式を導入した太陽風の三次元構造の研究を行なった。
(1)太陽活動極大期の太陽風構造 探査機ユリシーズは2000年10月〜2001年10月にかけて、近日点通過に伴う緯度方向の太陽風構造の観測を行なった。その結果、太陽活動極大期における太陽風構造は太陽活動極小期とは極めて異なっている事が直接観測により明らかとなった。またユリシーズは高速太陽風の再出現を捉えていたが、その挙動は出現と消失を繰り返すという奇妙なものであった。我々は太陽活動極大期に適したトモグラフィ法を開発し、IPS観測とユリシーズ観測の比較を行なった。その結果、観測は極めてよい一致を示した。また高速風はユリシーズが観測したよりも以前にすでに出現しており、その分布には経度依存性があることが分かった。すなわちユリシーズが観測した高速風の出現と消失の繰り返しは、太陽風の構造の時間的な変動ではなく、空間的な分布のためであることが明らかとなった。
(2)電磁流体力学(MHD)を導入した太陽風の三次元構造の研究 MHD方程式で運動を記述できる太陽風の三次元的な構造を、IPS観測から得られる太陽風速度の遠隔測定データを元に再現する手法として、MHDトモグラフィー法に取り組んだ。これは、視線積分観測値から太陽風全体の立体的構造を復元する際に非線形MHD方程式を解くコードを導入したものであり、太陽風の速度や密度が距離ととも変化するダイナミクスを考慮に入れることができ、より実際の太陽風に近い状況を想定した復元を行うことができるようになった。
(3)惑星間空間衝撃波伝搬機構の研究 太陽質量放出現象により励起される惑星間空間擾乱の三次元構造と伝搬特性を求めるため、三次元構造の諸パラメータを統計解析し、最適モデルを求める方法を開発した。その結果、惑星間空間衝撃波の加速・減速をIPS観測で取り扱う事が可能となった。現在、各々のイベントについて解析の途上である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kojima, M. et al.: "Latitudinal velocity structures up to the solar poles estimated from interplanetary scintillation tomography analysis"Journal of Geophysical Research. 106. 15677-15686 (2001)

  • [文献書誌] Kojima, M. et al.: "Low-speed solar wind associations with active regions near solar minimum"Advanced Space Research. 25. 1893-1896 (2000)

  • [文献書誌] Tokumaru, M. et al.: "Three-dimensional propagation of interplanetary disturbances detected with radio scintillation measurements at 327MHz"Journal of Geophysical Research. 105. 10435-10453 (2000)

  • [文献書誌] Tokumaru, M. et al.: "Large-scale structure of solar wind turbulence near the solar activity minimum"Advanced Space Research. 25. 1943-1946 (2000)

  • [文献書誌] Ohmi, T. et al.: "Low-speed Solar Wind Observed at the Polar Regions Near Solar Maximum"Proceedings of Western Pacific Geophysics Meeting Tokyo, Japan ; June 27-30, 2000. (in press).

  • [文献書誌] Ohmi, T. et al.: "Solar Wind Structure When The Polar Coronal Hole Disappears"Proceedings of The First S-RAMP Conference Sapporo, Japan ; October 2-6, 2000. (in press).

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi