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2000 年度 実績報告書

広帯域電子スピン共鳴法による溶液中の励起状態の電子構造と分子ダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 12440157
研究機関東北大学

研究代表者

山内 清語  東北大学, 反応化学研究所, 教授 (10127152)

研究分担者 岩崎 洋平  東北大学, 反応化学研究所, 助手 (00321985)
大庭 裕範  東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10176985)
キーワード励起多重項 / 励起三重項 / 高周波ESR / 時間分解ESR / 二次元ESR / 軸配位 / 金属ポルフィリン / フラーレンアダクト
研究概要

今年度は、ESRによる溶液中の励起状態に関して以下のような成果が得られた。
1.トルエン溶液中でサブフタロシアニン励起三重項の時間分解ESRスペクトルを、20-360Kの温度範囲で観測した。2つのサイトをジャンプするモデルで、スペクトルのシミュレーションを行い、ヤーンテラー変形した状態間の平均化、分子の面内回転、面外回転が温度の上昇とともに起こることがわかった。速度定数の温度変化から、それぞれの過程の活性化エネルギーが求められた。
2.金属ポルフィリン励起三重項の常温トルエン中の時間分解ESR信号を、3つのバンド、X(9.3GHz),Q(35GHz),W(95GHz)、で観測した。その結果、線幅は、どのバンドでもほぼ半値幅40ガウスで一定であり、スピンの横緩和速度はポルフィリンによってもバンドによっても変化しないことがわかった。これに対して、縦緩和速度は、ポルフィリンの種類によってもESRの周波数によっても大きく変化した。これは、縦緩和の機構が、通常考えられているスピン双極子緩和機構ではないことを示している。
3.亜鉛ポルフィリンーラジカル軸配位系の時間分解高周波ESRスペクトルの解析から、励起四重項、励起二重項のg値が求められた。その結果、これまでの励起多重項と異なりこれらの状態は、交換相互作用が大きい場合の励起三重項とラジカルの単純なスピン双極子相互作用では理解できないことがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] F.Conti et al: "Studies on a Binitroxide Fullerene Derivative in the Ground Triplet and First Photoexcited Quintet States"J.Phys.Chem.A. 104. 4962-4967 (2000)

  • [文献書誌] T.Funayama et al: "Studies of the Lowest Excited Triplet State of [Pt(i-biq)(CN)_2] by means of Time-Resolved EPR and Optical Spectroscopy"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 73. 1541-1550 (2000)

  • [文献書誌] Islam SM Saiful et al: "Chemically Induced Dynamic Electron Polarization Studies on Photolysis of Hexaphenyl-disilane, digermane and distannane"Phys.Chem.Chem.Phys.. 3. 1011-1014 (2001)

  • [文献書誌] Islam SM Saiful et al: "Time-resolved EPR and ODMR Studies on the Lowest Excited Triplet States of α-Silyl and α-Germyl Ketones"Mol.Phys.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] H.Kurai,S.Tero-Kubota,S.Yamauchi: "Specialist Periodial Reports : Electron Spin Resonance"The Royal Society of Chemistry, Cambridge, UK. 33 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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