研究課題/領域番号 |
12440167
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 武彦 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00011586)
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研究分担者 |
原田 賢介 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (70165017)
今城 尚志 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (40213227)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 赤外ダイオードレーザー分光 / ミリ波分光 / レーザー光解離 / CoCOラジカル / ビニルラジカル |
研究概要 |
当初の計画は、既存設備であるカラーセンターレーザーを光源として用いる超高分解能の分光装置を製作することであったが、このレーザーに重大な故障が生じたため当初計画の通りに研究を進めることは困難となった。そこで、同じ趣旨に沿う以下のような高分解能分光研究を行った。 第一に、高分解能のLIF分光の装置を製作した。テストとして、パルスノズルを組み込んだセルを用いて、NeBr_2ファンデルワールス錯体のB-Xバンドを観測した。つづいて、パルス放電ノズルを組み込んだセルを用いて、OHラジカルのA^2Σ-X^2Πバンドを、分解能0.028cm^<-1>で観測した。この装置は、今後キャビティーリングダウン法とマイクロ波を組み合わせた二重共鳴分光の装置へ発展させてゆくもくろみである。 第二に、ミリ波分光に、パルス超音速ジェット及びエキシマーレーザー光解離を組み合わせた新しい高分解能分光の手法を開発し、ビニルラジカルのスペクトルを測定した。このラジカルのCH基の面内変角振動は、二極小ポテンシャルに支配されており、振動基底状態は、sとaの二つの状態にトンネル分裂している。本研究では、s及びa両状態内で起こる純回転遷移に加えて、両状態間を結ぶトンネリング・回転遷移に対応するスペクトルを測定し、二極小ポテンシャルについて知見を得た。また電子スピン・回転相互作用、電子スピン・核スピン相互作用の定数を決定した。 第三に、ダイオードレーザー分光とエキシマーレーザー光解離を組み合わせた方法により、CoCOラジカルの振動回転スペクトルを観測した。CO伸縮(ν_1)振動の基本バンドに加えて、変角(ν_2)振動及びCoO伸縮(ν_3)振動の励起状態から発するホットバンドのスペクトルも測定され、平衡構造などについて詳細な知見が得られた。また、電子基底状態が^2Δ_iであることが確証された。さらにミリ波スペクトルを測定し、Co核に関する超微細相互作用に関する詳細な知見を得た。
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