研究課題/領域番号 |
12440172
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
林 久治 理化学研究所, 分子光化学研究室, 主任研究員 (50087508)
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研究分担者 |
森 幸恵 理化学研究所, 分子光化学研究室, 研究員 (90239624)
池田 滋 理化学研究所, 分子光化学研究室, 研究員 (90270595)
若狭 雅信 理化学研究所, 分子光化学研究室, 先任研究員 (40202410)
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キーワード | 磁場効果 / パルス磁石 / ピコ秒レーザーホトリシス / ラジカル対 / トリラジカル / 光還元反応 |
研究概要 |
本研究では、本年度から2年計画で化学反応に対する磁場効果の研究分野で新展開を図ることを目的としている。本年度は、以下の新規磁場効果を発見し、理論的研究を開始した。 (1)超強磁場領域:現有のパルス磁石とナノ秒レーザーホトリシス装置を用いて、ミセル溶液中のカルボニル化合物の光還元反応において、ナノ秒からマイクロ秒領域におけるラジカル対寿命と散逸ラジカル収量に対する磁場効果を超強磁場領域(0-30T)で高精度で測定した。また、均一有機溶液中のカルボニル化合物の光還元反応において散逸ラジカル収量に対する磁場効果を超強磁場領域で高精度で測定し、25T以上では磁場変化が飽和することを発見した。 (2)ピコ秒領域:現有のピコ秒レーザーホトリシス装置の時間分解能(200ピコ秒)を本予算で購入したストリークカメラの高速掃引ユニットとデータ解析モジュールを用いて30ピコ秒に向上した。本装置を用いて、均一有機溶液中のカルボニル化合物の光還元反応において、ピコ秒領域のラジカル対寿命に対する磁場効果を0-1.7Tの磁場領域で測定した。 (3)高スピン化学種:電子供与体(Phenothiazine)と電子受容体(Pyromellitic diimide)の連結化合物にTEMPOラジカルを付加した一連の化合物を合成し、電子供与体の三重項状態からの電子移動反応を均一有機溶液中でナノ秒レーザーホトリシス装置(現有)を用いて測定すした。本反応で出現したトリラジカルの寿命を0-10Tの強磁場領域で測定した。更に、磁場変化に対する溶媒極性を測定して、本反応で出現する4重項-2重項対に由来する新規磁場効果の機構を検討した。 (4)理論:林(研究代表者)とPedersen(海外共同研究員:オーデンセ大・教授)が相互に研究室を訪問し、上記(1)-(3)の新規磁場効果に対する理論的解釈上の問題点を検討し、新規理論を構築中である。
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