研究概要 |
金属錯体を構成単位とする集合体は,磁性・伝導性・光物性等様々な物性が発現する物質群であり、この物性発現には分子内および分子間の電荷移動相互作用が重要な役割を担っている。この強い電荷移動相互作用をもつ電子系(集積体)に電子移動・スピン平衡による動的現象を付加することができれば、外場応答磁性体など様々な多重機能を集積体に付与することが可能となる。本研究では異種金属イオンを含むシアン化物イオン架橋環状4角錯体を合成し,異種金属イオン間の磁気的・電子的相互作用を評価した。本年度は、混合原子価状態を取りやすいルテニウムイオンを骨格構造に持つ金属錯体、[Fe(II)_2Ru(II)_2(μ-CN)_4(bpy)_6](PF_6)_4を合成し、電気化学的手法により合成した[Fe(II)_2Ru(II)_2]、[Fe(II)Fe(III)Ru(II)_2]、[Fe(III)_2Ru(II)2]状態の電子スペクトルを測定することによりFeとRuイオン間にH_<ab>=1000cm^<-1>以上の相互作用があることを明らかにした。
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