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2000 年度 実績報告書

超高真空環境下で発現する有機半導体のintrinsic物性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12440197
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

夛田 博一  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (40216974)

研究分担者 松重 和美  京都大学, 工学研究科, 教授 (80091362)
田中 彰治  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20192635)
佃 達哉  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (90262104)
石田 謙司  京都大学, 工学研究科, 助手 (20303860)
キーワード有機半導体 / intrinsic物性 / 有機トランジスター / 超高真空
研究概要

本年度は、超高真空内で有機トランジスターを作製しその電気特性を「その場」測定する装置を作製し、フタロシアニン薄膜のトランジスター特性を調べた。
超高真空装置は、薄膜作製室と測定室の2室から構成され、到達真空度は1x10^<-7>Paである。作製室には、分子蒸発源と膜厚計、シャッターが取り付けられている。測定室には、ガス導入ラインと電気伝導度測定用の電流導入端子が接続されている。試料は両室間を磁気結合式のトランスファーロッドを用いて移送される。有機トランジスターは、シリコン熱酸化膜上にリソグラフィー法で櫛形電極を作製し、上記超高真空中で、薄膜を蒸着した。一般に、フタロシアニン薄膜は大気中でp型の半導体特性を示すことが知られている。その起源は酸素のドーピングによるものである。今回、超高真空中で、酸素の吸着を避けてトランジスターを作製・評価したところ、超高真空中では、n型の半導体特性を示すことが見出された。その原因は、超高真空内で残存している水または水素からの電子注入ではないかと考えている。その系に酸素を極微量ドーピングすることにより、「疑似」真性状態とも呼べる低電気伝導状態となり、その状態では、p型とn型の特性が同時に現れた。このambipolar(同時両極性)トランジスターは、ロジック回路等を設計する上で非常に重要であると考えられる。キャリアの移動度は、正孔および電子とも10^<-5>cm^2V^<-1>s^<-1>前後の値を示した。またキャリア密度は10^<12>cm^<-3>程度と見積もられた。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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