研究課題/領域番号 |
12440197
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
夛田 博一 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (40216974)
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研究分担者 |
田中 彰治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20192635)
佃 達哉 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (90262104)
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キーワード | 有機電界効果トランジスター / 有機半導体 / キャリア移動度 / キャリア濃度 / BTQBT / 超高真空 |
研究概要 |
超高真空環境中で、有機電界効果トランジスター(OFET)を作製し、大気に晒すことなく「その場」で特性を調べることにより、有機薄膜中の電気伝導特性に与える吸着ガスの影響を検討した。まず、有機半導体として高い移動度を示すことが期待されるBTQBTを試料として、FETを作製したところ、成膜条件を制御することにより、超高真空中では、ホール移動度0.2cm^2/Vsという値を示した。これはこれまでに調べられている有機材料の中でも最大の部類に属する。しかしながら、大気に晒すと、明確なスイッチング特性を示さなくなるという欠点を持つことがわかった。これは酸素の吸着によりホール濃度が急激に増加し、伝導度が高くなるためであると思われ、実用化のためには、封止技術が必要である。また、FETの特性において、高い電場をかけると電流値が減少することがしばしば観測されるが、試料を真空中にいれて計測することにより、電流の減少が観測されなくなることがわかった。電場によって、吸着ガスが移動し、キャリアの運動を妨げるトラップとして働くことが示唆された。
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