研究概要 |
放射光(SR)エッチングによるSi表面ナノ反応場の形成、STMやAFMによる構造評価、Si表面の自己組織有機単分子膜(SAM)による修飾と生体機能物質の集積、の研究を進め以下の実績を得た。平成13年度末から始めた"生体機能物質の集積"のサブテーマについてはその進展が著しく、また国外との競争も激しい分野であるので、本科研費で予定されている15年度の補助金100万円では極度に研究費が不足のため、新たな研究費を投入して4年間ほど研究を継続したいと考え、「計画最終年度前年度の申請として基盤研究(A)」を提案した。特に下記アンダーライン部は本基盤(B)提案時以降、研究遂行中に生れたアイデアや概念であり、基盤(A)の審査に当たってはぜひ考慮していただきたい。 (1)CoをコンタクトマスクとするSRエッチング技術を確立。エッチング後のSi表面の凹凸をAFMで評価したところ、Ra=0.1nm程度で通常のプラズマエッチングと比較し2桁ほど平坦度が良い。(J. VaC. Sci. Tech.[2003]印刷中)。SOGと呼ばれる、ある種のSiO_2膜がSR照射で体積が収縮する新現象を発見。Coの膜厚に分布を持たせることにより一度の照射で3次元ナノ反応場を形成する技術を開発。また、この技術を利用し、領域選択的にSi表面を機能化する技術を確立(Jpn. J. Appl. Phys.41(2002),4390-4394)Jpn. J. Appl. Phys.[2003]印刷中)。 (3)上記(1),(2)と収束イオンビーム技術とを組み合わせ、径60nmのナノ加工に成功。これらの成果をいかして、対称性を制御したナノ反応場を形成し、一個のタンパク質の配置と配向およびその分子認識反応を制御する研究に着手。 *文字数の制限のため、STMとBML-IRRAS(赤外反射吸収分光)の報告を省略(投稿中を含め4報の論文を執筆)。
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