研究課題/領域番号 |
12440215
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河田 雅圭 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90204734)
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研究分担者 |
嶋田 正和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40178950)
横山 潤 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (80272011)
千葉 聡 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10236812)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 密度依存 / 生息地の構造 / 個体数変動 / 淡水産巻き貝 |
研究概要 |
生息地の空間構造の変化が、個体数動態や進化的変化に大きな影響を及ぼすことは知られている。しかし、多くの研究は、空間構造としてメタ個体群を仮定し、メタ集団間の移住の程度が生態的・進化的動態におよぼす影響について考察されてきた。しかし、環境の変化が空間構造自体を変化させるという状況も考えられる。たとえば、通常は隔離された水たまりあるいは小さな池が、大雨などによりときおり一つの大きな池となり、大きなランダム交配集団になるという状況がある。 小集団内で成長、繁殖し、その後、個体が分散し、一つの大きなデームを形成するようなalternative mixing population(AMP)において、小集団に隔離されたとき、密度依存的に繁殖を抑制せず、早く成長し、繁殖をした個体は、大きな集団になったときに、より多くの個体で占めることが可能になる。一方、密度依存的に繁殖、成長を抑制した個体は、大きな繁殖集団になったとき、その頻度を減らすを予測される。 本研究では、このような密度依存的成長および繁殖の違いが生息地の空間構造に違いによって引き起こされるという仮説を検証するために、2つの異なる空間構造を示す生息地において、それぞれの生息地からPhysa acutaを採集し、マイクロサテライトDNAを調べ、集団の空間の遺伝的構造を調べた結果、一つの集団は、ランダムな交配集団(RP)で、一方の集団はAMPであることが推測された。そして、AMPの個体は、正の密度依存成長を示し、より早期に繁殖をしたのに対し、RMでは負の密度依存成長を示し、後期に繁殖をした。これらの結果は、上記の仮説を支持するものであった。
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