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2000 年度 実績報告書

環境傾度がブナ科樹木の被食防衛戦略と植物-植食者の相互作用系に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12440216
研究機関金沢大学

研究代表者

鎌田 直人  金沢大学, 理学部, 助教授 (90303255)

研究分担者 彦坂 幸毅  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10272006)
和田 直也  富山大学, 理学部, 助教授 (40272893)
キーワードブナ科 / アロケーション / 食害 / 栄養 / 光 / 炭素 / 窒素 / 誘導防御
研究概要

時間遅れの誘導防御反応における栄養条件の役割を調べるために、異なる栄養条件で育成したコナラ・アベマキの実生の奪葉実験を行い、器官間の分配応答を調べた。葉/根重比を比較した結果、富栄養条件では奪葉しても奪葉前と同レベルまで回復したのに対し、貧栄養条件では相対的に葉重が低かった。また、照葉樹林内で共存する常緑広葉樹8種では、光合成特性・タンパク質利用に大きな種間差がみられなかった。
ミズナラの堅果の半分を切除すると、実生の生存率に影響せず、重量は対照区の約1/2になった。切除個体では、根の重量配分を減らし、地上部・特に光合成器官である葉により多くの資源を投資していた。自然状態で堅果に食害を受けた実生や、光量の少ない環境下の実生は、切除実験と同じ成長パターンを示したことから、堅果の食害による初期の炭素不足を補う誘導反応と考えられた。ブナ実生では、暗い環境に生育していた実生の方が高い最大量子収率を示した。
標高が高くなると、葉の窒素含有率が高いが、土壌の可給態養分量が減少するため落葉前の窒素回収率が高いことが予想され、時間遅れの誘導防御反応が強くなると予想された。この仮説を検証するために、標高の異なる5地点(600m〜1250m)で、窒素含有率と窒素回収率を調べた。窒素含有率は予測通りの結果を示したが、秋の窒素回収率は予測とまったく逆の結果が得られた。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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