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2002 年度 実績報告書

ミジンコ休眠卵を用いた琵琶湖生物群集の近過去復元に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12440218
研究機関京都大学

研究代表者

占部 城太郎  京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50250163)

研究分担者 柏谷 健二  金沢大学, 理学部, 教授 (30161029)
成田 哲也  京都大学, 生態学研究センター, 助手 (40025440)
清水 勇  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (80025486)
川幡 佳一  金沢大学, 教育学部, 助教授 (40211867)
キーワード琵琶湖 / 動物プランクトン / DNA / 休眠卵 / 種組成 / 湖底 / 堆積物 / ミジンコ
研究概要

前年度に引き続き、琵琶湖堆積物中のDaphnia休眠卵の遺伝解析をmt DNA 12S rRNA及び核DNA ITS領域の塩基配列をもとに行った。ただし本年度は休眠卵からのDNA抽出効率を上げる方法を新たに開発し、より多くのデータ蓄積につとめた。その結果、琵琶湖の過去100年に及ぶDaphnia類の種の変遷の全貌を明らかにすることが出来た。すなわち、1900年以前はこれまで北米特産種と考えられてきたD.mendotaeが卓越し、1920年ごろから欧州産と遺伝的に近似なD.galeataが出現することが明らかとなった。さらに、これら2種は雑種形成を行い、現在ではカブトミジンコ類はD.mendotae, D.gaelata及びそれらの雑種から構成されている。また、1999年に出現した大型ミジンコはD.pulicariaであり、北米西岸の湖沼に生息する個体群と遺伝的に同一のものであることが明らかとなった。これらの結果は、琵琶湖では過去100年間に複数回の異なるミジンコ種の侵入があったことを示している。
堆積物のミジンコ遺骸を定量解析したところ、1980年以後は休眠卵を産卵しなくなったものの、浮遊個体群は過去20年の間に増加していることが判明した。実験の結果、休眠卵を産卵しなくなったのは内分泌攪乱物質などの影響ではなく、冬期にも浮遊個体として生存出来るようになったためであることが判った。これら近年のミジンコ個体群の動態は、冬期の水温上昇などの環境変化や人為的な移入かく乱の影響を強く受けていることを示唆するものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Ishikawa: "Population dynamics and production of Jesogammarus annandalei, an endemic amphipod, in Lake Biwa"Freshwater Biology. 47. 1935-1943 (2002)

  • [文献書誌] C.Yoshimizu: "Roles of Daphnia in decomposition of organic matters in the surface layer of Lake Biwa"Lakes & Reservoirs. 7. 325-330 (2002)

  • [文献書誌] J.Urabe: "Food quality determinants for Daphnia growth in P-limited lakes"Verh. Internat. Verein. Limnol.. 28. 1089-1094 (2002)

  • [文献書誌] J.Urabe: "Facilitation among herbivorous animals can mitigate environmental mismatch of energy and material supplies"Ecology Letters. 5. 177-185 (2002)

  • [文献書誌] J.Urabe: "Daphnia pulicaria ; a zooplankton species that suddenly appeared in 1999 in the offshore zone of Lake Biwa"Limnology. 4(1)(印刷中). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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