研究概要 |
2,4DB耐性シロイヌナズナ変異株ped2を単離し、その原因遺伝子の同定をポジショナルクローニングと相補実験により行った。原因遺伝子の予測されるアミノ酸配列はヒトのPex14と相同性を示した。Pex14はペルオキシソームタンパク質輸送装置の鍵成分としてしられている。このことから私達はこのタンパク質をAt Pex14pと名付けた。ped2変異体はペルオキシソームのタンパク質輸送系に欠損がみられ、その輸送シグナルであるperoxisome targeting signal(PTS)-1及びPTS-2のどちらの輸送系をも阻害した。また、この阻害は、植物ペルオキシソームとして機能分化しているグリオキシソーム、緑葉ペルオキシソーム、特殊化していないペルオキシソームのすべてにおいて観察された。この変異株ではペルオキシソームの機能欠損の結果として、脂肪酸分解、光呼吸、ペルオキシソーム形態の変化が認められた。以上の解析から、At Pex14pは植物にみられるすべてのペルオキシソームのタンパク質輸送に関与していることが明らかになった。今後この変異株におけるペルオキシソーム機能分化を解析していく予定である。
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