マイクロボディ機能転換におけるマイクロボディ膜タンパク質の変動を明らかにするため、主要膜タンパク質の1つである、PMP38のcDNAクローニング及びその構造解析、発現調節を解析した。PMP38は331アミノ酸からなるポリペプチドをコードしており、ミトコンドリアのATP/ADPキャリアータンパク質と相同性を示した。PMP38はマイクロボディ膜上に局在しマイクロボデイ膜タンパク質移行配列を保持していた。特異抗体を用いたイムノブロット解析から、PMP38はマイクロボデイ機能変換時に、その蓄積量を大きく減少することが判明した。この知見はマクロボディ機能転換に伴って、マトリックタンパク質の入れ替えが生じるばかりでなく、膜タンパク質も大きく変動していることが明らかとなり、マイクロボディ機能転換に膜タンパク質が大きく関与していることが示唆された。またマイクロボデイ膜タンパク質アスコルビン酸ペルオキシダーゼの生合成、細胞内輸送を調べた結果、同酵素は未知の膜成分を経由して、マイクロボディに輸送されることが判明した。この膜成分はMg^<2+>シフトを生じないことから粗面小胞体ではないことが示され、滑面小胞体の1部であると示唆された。この結果は、マイクロボデイ膜タンパク質の生合成、細胞内輸送に小胞体が関わっていることを示したものであり、マイクロボデイの形成に小胞体が寄与していることを初めて明らかにしたものである。
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