研究課題/領域番号 |
12440240
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
邑田 仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90134452)
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研究分担者 |
梶田 忠 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80301117)
邑田 裕子 摂南大学, 薬学部, 助手 (20167620)
菅原 敬 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10226425)
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キーワード | ウマノスズクサ / Aristolochia / 分子系統 / 染色体 |
研究概要 |
前年度に引き続き、ウマノスズクサ属(広義)の近代的な意味での系統分類体系を確立することを目的とし、分子系統解析を中心に研究を進めた。1)資料収集:平成13年7月23日〜27日に韓国のソウル周辺で現地調査を行い、北米のA. duriorと近縁であることが推定されるA. mandsuriensisの野生株を収集した。また、他の海外調査などを通じてAristolochia burelae, A. peruviana, A. grandifloraなどを新たに入手し、今後の解析のため増殖栽培を進めた。2)系統解析:新たに入手した種類についてmatK遺伝子主要部分の解析を行い、従来得られている結果と合わせて合計57種について系統解析を行った。この結果、ウマノスズクサ亜属とオオバウマノスズクサ亜属はそれぞれ単系統であるなど、形態的特徴から推測されていた系統関係とほぼ一致し、従来の分類学的取り扱いが指示された。これについて論文発表を行った。3)形態観察:主に栽培植物に基づき、生きた状態での花形態の観察を進めた。また、シュート構成の多様性について比較検討を行った。4)染色体数の調査:系統保存している生植物の根端を用いて主に菅原が東京都立大学において24種の染色体数の観察を行い、染色体数を明らかにした。そのうち17種については新たに染色体数が明らかとなった。この結果を分子系統樹と比較して、染色体数の進化を考察し、論文発表を行った。5)化学分析:摂南大学薬学部において成分分析用の資料の抽出を行い分析を進めた。これまでの検討で、研究計画のかなりの部分は達成された。しかし、属全体の多様性と進化を論ずるには、Pararistolochiaを調べることが重要であり、次年度はこれを中心に解析を進める予定である。
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