本研究では現有の反射率差分光(RDS)装置を用いてさまざまなワイドギャップ半導体ヘテロ構造材料についてヘテロ界面の局在電子状態を調べ、結晶欠陥特有のスペクトル構造やヘテロバレントな系や異結晶形なヘテロ構造について見られる多用な局在電子状態についてスペクトル上の特徴を解明した。また、線型光学効果を介して界面電界を調べる手法を確立した。以上の研究で得られた成果をデーターベースにしてIII-V族窒化物半導体に注目して結晶成長その場でヘテロ界面構造の電子状態とその形成過程を明らかにした。 (1)ワイドギャップ半導体ヘテロ構造のRDS分光 ヘテロバレントな系(GaN/GaAs)や異結晶形なヘテロ構造(GaN/サファイア)について見られる多用な局在電子状態についてスペクトル上の特徴を解明した。平成12年度備品のRFプラズマセルを使って分子線エピタキシー過程でGaAs表面の窒化を行い、窒化その場で多波長同時のRDS測定を行い測定精度をあげた実験を実現した。その結果、窒化初期過程における界面形成過程を明らかにした。 (2)ワイドギャップ半導体ヘテロ構造によるRDSスペクトルの特徴 GaN/GaAsの系ではGaNのバンドギャップが約3.5eVと大きく、それによってヘテロ界面形成と同時にRDS信号強度の増大が確認でき、その場観察として利用できることを突き止めた。
|