研究課題/領域番号 |
12450038
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
種村 眞幸 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (30236715)
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研究分担者 |
杉江 紘 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (40024327)
市川 洋 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10314072)
奥山 文雄 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30024235)
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キーワード | ナノ材料 / ナノチューブ / シリコン / スパッタリング / 半導体 / 炭素 |
研究概要 |
1.Siナノチューブ成長条件の確立:昨年度完成させた、金属蒸気源、差動排気型大電流密度イオン銃、4軸可加熱試料ステージ、ガス導入系をメインコンポーネントとする、「Siナノチューブ合成システム」を用い、ナノチューブの作製を行った。ナノチューブの合成には、触媒金属粒子供給、基板加熱が不可欠であった。基板温度500℃で得られたチューブの直径は、現状では約400mであり、ナノサイズ化には、成長温度、粒子供給速度等の更なる最適化が必要であり、次年度の課題である。 2.新奇形態・構造の探索:同装置を用い、化合物半導体のナノ構造作製を試みた。化合物半導体では、チューブ構造を呈するものは確認されなかったものの、ナノワイヤーの形成が認められた。現在、ワイヤー直径20nm程度以下の合成が容易であり、成長方向制御も可能である。化合物半導体の場合、半導体を構成する元素の一つが、ワイヤー成長時の触媒としての機能をも果たす場合があることが明らかにされ、従って、外部からの触媒金属供給がナノ構造発現の必要条件とは必ずしもなり得なかった。 3.応用探索:一般的に知られる炭素ナノチューブ(CNTs)の場合、最も進んだ段階にある応用として、極微小電子源が挙げられる。本研究のナノチューブの場合、従来のSiテクノロジーが流用できることから、CNTsに比して、デバイス化に利点を有す。両ナノチューブの電子放射特性の比較実験が今後必要となることから、CNTsについても、任意の基板上への垂直配向成長条件を確立すると共に、ナノチューブからの電界電子放射(FE)特性に関する理論解析法を考案し、作製された垂直配向CNTsを用いて、理論の妥当性についての検証を行った。加えて、垂直配向CNTsを用い、FEを動作原理とするX線管の試作に成功し、ナノチューブの実用材料としての有用性を示した。
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