研究分担者 |
中村 雅史 茨城大学, 工学部, 助手 (60302329)
西野 創一郎 茨城大学, 工学部, 講師 (00272112)
原口 忠男 茨城大学, 工学部, 助教授 (00091728)
川名 淳雄 日本コーティングセンター(株), 品質技術部, 次長(研究職)
池永 勝 日本電子工業(株), 技術顧問(研究職)
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研究概要 |
本研究では,界面を靭化した極低摩耗係数・超厚膜を有するスーパーDLC皮膜の創製とその疲労信頼性を適切に評価し得る寿命加速試験法の構築について,3年間の実証的基礎研究を実施する.特に,DLC皮膜と基材の界面靭化に伴う複雑表面組織と疲労信頼性という相反する特性を高い次元で両立させることを目的とした.一年目の本年度は下記の三つの課題について研究を行った. [I]スーパーDLC皮膜の創製申請設備である最新のコーティング装置アンバランス・マグネトロン・スパッタリング装置を用いて,0.01以下の極めて低い摩擦係数と機械部品として実用に必要な10μm以上の超厚膜を実現したDLC皮膜を開発する. [II]界面靭化・密着性強化 (1)マイクロ構造制御;窒化,浸炭焼き入れ,マイクロ粒子衝突処理等を用いて,マイクロレベルにおける基材の組織・界面構造の制御を実施する. (2)複合化構造制御;DLC皮膜における基材との界面靭化・密着性強化を実現するため,(1)で得られた知見を基づき,上記の表面処理を複合させ,構造の制御を実施する. (3)マイクロ残留応力制御;マイクロパルス処理またはマイクロ粒子衝突処理を用いて,残留応力を制御する.特に,構造の複合化により,残留応力の分散化,均衡化を図る. [III]超長寿命領域における製品安全性保証法の構築 (1)新しい加速試験法;マイクロスコピックな破壊機構解析に基づき,スーパーDLC皮膜材の疲労挙動に対応した普遍妥当な信頼性評価システムを検討する.すなわち,疲労機構解析,残留応力解析の支援および2段階変動荷重による新しい加速試験法を確立させる. (2)マイクロX線評価;既存設備のマイクロX線測定装置を用いて,スーパーDLC皮膜材の残留応力評価する.すなわち,マイクロレベルの領域におけるDLC皮膜および基材それぞれの構造組織での残留応力を評価する. (3)破壊のその場解析;既存設備のSEM(電子顕微鏡)サーボ試験システムを用いた疲労機構のリアルタイムな解析を実施する.
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