研究課題/領域番号 |
12450043
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉村 忍 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90201053)
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研究分担者 |
長崎 晋也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (20240723)
古田 一雄 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50199436)
矢川 元基 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40011100)
関東 康祐 豊橋技術科学大学, 機械システム工学科, 助教授 (60177764)
堀江 知義 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40229224)
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キーワード | 腐食 / 自動車 / 寿命予測 / ニューラルネットワーク / 多変量解析 / 車両パラメータ / 錆パラメータ / 防錆設計 |
研究概要 |
本年度は、初年度に取得されたデータと、ニューラルネットワークを用いて、車両パラメータと錆パラメータ間の関係の定量化手法を開発した。具体的には次のように行った。 (1)階層型ニューラルネットワークに、実際の腐食試験のデータを与え、学習させる。学習の精度(特に未学習データに対する予測能力を表わす汎化能力の確認)および学習効率、獲得されたネットワーク構造に関して詳細な分析を行い、学習済ネットワークの信頼性について詳細に検討した。 (2)(1)の学習済ニューラルネットワークを用いた感度係数、すなわち、錆パラメータの各車両パラメータに対する感度、や車両パラメータ間の相関係数について詳細に調べ、錆パラメータに強く影響を与える車両パラメータ項目の絞り込み法について検討を行い、最終的に絞り込手法を提案した。 (3)(2)で絞り込まれた車両パラメータと錆パラメータの非線形関係を再び創発型ニューラルネットワークを用いて、再度近似する。ここでも、(2)と同様に、学習の精度(汎化能力)、学習効率、獲得されたネットワーク構造に関して詳細な分析を行った。 (4)(1)〜(3)の非線形関係の定量化手法の研究開発と平行して、所定の腐食レベルを満足する車両パラメータの組み合わせの集合を多次元のデザインウインドウとして表示するシステムの研究開発を行う。この多次元デザインウインドウの次元数は一般に3を超える。一方、現在のコンピュータのモニター上には、3次元の物理空間までしか表現できない。そこで、4次元以上の多次元デザインウインドウを3次元空間に表現する手法について計算幾何学の技法をもとに研究を行った。 最終的に、腐食寿命の予測を行い、さらにターゲット寿命を実現する防錆処理設計の2段階設計法を開発し、実車に適用し、良好な結果を得た。
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