研究概要 |
半導体デバイスや耐高温用のセラミックス-金属接合材のように,異材を接着・接合して使用する場合が増大している.また,材料の機能性を向上させる目的から,プラスチックと金属,セラミックと金属等,種々の組合せの複合材料の開発が活発に行われている.このように,異種材料の接着・接合ないし複合材料が幅広く利用さるようになってきており,それらの強度について,より信頼性の高い評価が求められている.異種材料で構成された材料あるいは構造体においては,界面ないし界面端に応力が集中し,界面の強度が母材よりも一般に弱いこともあって,界面に沿っての破壊が生じやすい.そのため,界面破壊現象に対する破壊基準・クライテリオンを明らかにすることが重要である.これまでにも界面強度の研究は多く行われてきているが,接合端の特異場と界面き裂の特異場の統一的な取り扱いの問題など未解決の問題が数多く残されている.そこで,本研究では,界面破壊現象に対する破壊基準・クライテリオンを明らかにすることを目的として,異種接合材料の界面破壊を支配するパラメータについて検討を行なった.すなわち,き裂先端の破壊進行領域を結合力モデルによってモデル化し,それを組み込んだ有限要素解析を行った,そして,界面破壊靭性値の混合モード比による影響,および,応力拡大係数の定義式に現れる代表長さ採り方の影響について検討した.さらに,接着・接合界面強度評価に及ぼす塑性変形の影響についても検討を加えた.
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