研究概要 |
砥粒加工用の砥粒は,従来溶融状態から製造されていたために機能的な物質を固溶させるためには自ずと限界があった.そこで,ゾルゲル法を利用して様々な機能を有する粒子を化学凝集させて,これまでにない機能を有する複合凝集砥粒の開発を検討している.平成12年度においては「複合凝集砥粒の凝集力の調整技術と製造技術の確立」を目的に下記の項目を検討し概ね下記の技術を習得した. (1)ゾルゲル法による凝集砥粒の製造技術について検討し,凝集を開始するための凝集剤や凝集を停止するための最適な界面活性剤の選択を行い,所望の粒径を得るための制御技術. (2)砥粒の表面に結合剤を吸着させて保護コロイドを作成する技術.無機質と有機質を結合するカップリング剤の調合技術. (3)pH調整や結合剤,凝集剤の選定により凝集力を調整する技術. 凝集剤の効果の確認 (4)(1)〜(3)の知見をもとに,砥粒と結合剤のみの凝集砥粒の製造技術を概略完成. (5)次に潤滑剤や冷却剤,酸化剤,置換反応剤などの化学的物質を砥粒内に取り込んで複合化するために,その化学的物質が砥粒の保護コロイドと同等の表面電位をもつように界面活性剤で調整する技術. (6)(4)および(5)の知見をもとに,種々の化学的物質を複合した凝集砥粒を製造する技術. 以上の検討項目で得られた結果を元に,超微細シリカ凝集砥粒研磨テープを試作した.現在,加工工具への適用をはかり,その加工特性の優位点について確認を行っている.
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