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2000 年度 実績報告書

乱流化した高レイノルズ数の音響流による熱輸送と混合過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12450072
研究機関北海道大学

研究代表者

矢野 猛  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60200557)

キーワード音響流 / 高レイノルズ数 / 乱流 / 定在波 / 共鳴振動 / 非線形音響 / 熱輸送 / 物質混合
研究概要

線形音響学の理論では,音波は流体粒子をその平衡位置のまわりに微小振動させるのみで,正味の質量輸送を導かない.しかしながら音波の振幅が大きい場合,非線形効果によって正味の質量流が誘起されることがある.これは音響流とよばれ,数学的には,各点における質量流束密度ベクトルの音波の周期にわたる時間平均として定義される.つまり,音波の振動を消去する粗視化によって得られる流れが音響流である.
音響流は,長い間,遅い(低レイノルズ数の)流れと考えられてきたが,近年,超強力音波が先端技術で利用されるようになり,強い非線形効果による速い(高レイノルズ数の)音響流とその乱流の理解は,工学的にも重要な問題として注目されつつある.
本研究は,数値解析によって,乱流化した音響流による熱輸送と物質混合の特性を明らかにすることを目的とする.
平成12年度は,共鳴管内を循環する渦状の音響流の問題をとりあげ,精密で大規模な数値解析を行い,以下のことを明らかにした:(1)音響流が低レイノルズ数であれば,当然のこととして乱流化は起こらず,これによる熱輸送は非常に小さい.この結果は,Rayleighの理論に基づくRottの解析結果と定性的に一致する.(2)乱流化した高レイノルズ数の音響流による熱輸送は,著しく大きい.これには,管の壁面からの熱流によるものだけでなく,衝撃波の波面で生成される熱の寄与も含まれる.同時に,乱流化によって時間的・空間的に不規則となった流れ場は,密度分布の非一様化も導く.
平成13年度は,上記の結果を詳細かつ定量的に整理し,現象に対して理論的な解釈を与える.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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