研究課題/領域番号 |
12450083
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 勲 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10170721)
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研究分担者 |
斉藤 卓志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20302937)
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キーワード | プラスチック廃棄物 / 材料選別回収 / 非定常熱伝導 / 融着現象 / 界面温度 / 軟化 / レオロジー物性 / 接触面積 |
研究概要 |
研究計画の最終年度にあたる本年度は、前2年度の成果をもとに、プラスチック粒子と伝熱面の間の粘着力とプラスチック材料のレオロジー物性の関係を定量的に議論した。その結果、以下の知見が得られた。 (1)界面温度と粘着力 各種プラスチック材料を加熱固体面に押しつけて引きはがした際の粘着力をタックメータによって計測した結果、粘着力は接触界面温度がある温度を超えると急激に高まること、このときの界面温度は実際に融着選別実験で観察された融着開始温度に対応することが確認された。 (2)融着現象発現を特徴づけるレオロジー物性 種々の温度において各プラスチック材料のレオロジー物性をレオメータを用いて評価した結果、融着現象が発現する際のプラスチックの損失正接の値はプラスチック種によらずほぼ1であり、その際の貯蔵弾性率、損失弾性率の値は10^6Pa程度であることが示された。 (3)融着現象を利用したプラスチック選別回収の必要条件 これまでの成果から、融着現象を利用したプラスチック材料の選別回収を実現するために必要な加熱固体面との接触時間を評価するために、加熱固体面と接触したプラスチック材料が非定常熱伝導によって加熱され軟化することで接触面積を広げていくモデルを構築し、(1)の計測によって評価されたプラスチック材料・加熱固体面間の単位接触面積あたりの粘着力を用いてプラスチック粒子の自重を支えるのに必要な接触時間を予測した。その結果、プラスチック粒子径が極端に大きくなると必要な接触時間は長くなるものの、粒子系が比較的小さいうちは選別回収に必要な接触時間は十分短く、粒子径の影響をほとんど受けないことを明らかにした。
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