研究分担者 |
田川 泰敬 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (20216807)
吉田 秀久 東京農工大学, 工学部, 助手 (00332635)
鎌田 崇義 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60262119)
鈴木 康文 (財)鉄道総合技術研究所, 鉄道力学研究部, 研究職
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研究概要 |
本研究の目的は、超高速車両(車輪レール方式)の固有の動揺現象、特に曲線部での超過遠心力による動揺現象を解析し、動力学的な見地から速度向上に有効な車両制御の概念を提案し、その効果を理論と実験により明らかにすることである。本研究成果をまとめると、リンク式車体傾斜車両に着目し,曲線通過時の快適性と走行安定性を共に向上させることを目的として、車体床面の左右加速度と左右間輪重差を同時に低減化する新しい傾斜制御方式について研究をした結果、以下の結論を得た。 (1)四節リンク機構を含めたリンク式車体傾斜車両の1自由度系の非線形モデルを導き,室内模型実験装置を用いてその有効性を確認した.その非線系モデルを線形近似し、線形制御理論を応用することが可能な状態方程式と出力方程式を導出した。 (2)定常円旋回時において、車体床面の左右加速度と左右間輪重差が同時にゼロとなる「完全傾斜理論」(Perfect Tilting Theory)を導いた。 (3)四節リンク機構を可変とし、上記を実現可能とする傾斜制御機構を新たに提案した。その制御方式として、(1)逆モデルによるフォードフォワード制御方式と、(2)最適フィードバック制御方式を提案した。 (4)新たに提案した制御方式について、シミュレーション及び室内模型実験装置で検討した結果,以下の結論が得られた。 (1)線路情報を用いた比例フィードフォワード制御により,床面左右加速度と輪重変動の両方を同時に低減化する事が可能である.この場合、振動を抑制するための減衰制御が必要となる。 (2)車体情報を用いた最適フィードバック制御により,線路情報を用いることなく,床面左右加速度と輪重変動の両方を同時に低減化する事が可能である. これらの成果はすでに国内外の学会で発表をしているが、この3年間の研究成果を最後に報告書としてまとめると共に,今後積極的に学会発表などを通して研究成果を公表する。
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