研究課題/領域番号 |
12450108
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小田 哲治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90107532)
|
研究分担者 |
尾形 敦 独立行政法人産業技術総合研究所, つくば西事業所, 研究職
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
清水 一男 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (90282681)
今井 正 東芝, 社会産業システム事業部・熱分解システム技術部, 主事(研究職)
小野 亮 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (90323443)
|
キーワード | 非熱平衡プラズマ / 環境改善技術 / レーザ誘起蛍光法 / ラジカル / NO分解 / オゾン |
研究概要 |
本研究は、3カ年計画で開始され、その中間年度に当たる平成13年度には、役に立つプラズマ診断技術の確立を目ざし、前年度立ち上げに成功した2種類のレーザ誘起蛍光法(LIF)の2次元観測である。OHラジカル測定ではクエンチの無視できる248nmエキシマレーザを用いて、世界で初めて超短パルス高電圧印加によるコロナ放電、バリア放電において、ストリーマ中にOHラジカルが大量に生成されること、窒素ガス中ではグロー放電となりOHラジカル形成は極めて少ないことなどが明らかとなった。電子エネルギーは小さいと思われるストリーマの方がOH形成が多いことは、電子密度に大きく影響されていることが明らかとなった。また、OH発生には、NOガスの存在以外にも、トリクレンなどの有機物の存在によっても大きく影響されることが明らかとなった。一方、色素レーザの2倍波226nmを用いたLIFによるNOの測定に於いては、OH同様、窒素雰囲気中ではストリーマ中に於いてNOが分解されていることが確認された。また、放電後、直ちに拡散効果によってNOの分解される場所がストリーマから外側に伸びる現象も観測され、NOを分解するラジカルの存在が明らかとなった。反面、NOの濃度が1, 000ppm程度と高い場合には、放電直後からNOの存在しない場所が狭くなることから、NO分解ラジカルは、既に消費されてしまったことがわかる。更に、放電極用の針を増加させ、トリクレンの分解とOHラジカルの発生状況との相関関係、オゾン発生とOHラジカル発生との相関も明らかになりつつある。乱流との関係、隣接電極効果なども明らかになりつつある。固体表面とイオンとの関係については、現在調整中である。尚、窒素放電スペクトルについても測定中である。
|