研究概要 |
本研究では,無声放電式オゾナイザに用いられる誘電体の材質・表面状態を最適化することによって,オゾン発生効率を飛躍的に向上させることが目的である。今回作製したオゾナイザ表面の形状、及び誘電体薄膜の蒸着効果を明らかにした。 1)誘電体としてアルミナを単体で用いた場合よりも,表面に誘電体を蒸着した場合の方が,オゾン発生量が増加することが分かった。 2)オゾン発生量は、誘電体の誘電率が大きいほど、誘電体薄膜の結晶性が良いほど向上し、最大3.5倍まで大きくなることが分かった。 3)誘電体表面の粗さが粗くなるほど、オゾン発生量が向上する傾向にあることが分かったが、定量的な関係までは明らかにできなかった。 また、これらのオゾナイザを利用して、実際に下水の処理を行い、以下の事を明らかにした。 1)一般細菌や大腸菌群数は数分(最速1分未満)程度の処理で,ほぽ完全に無くなることが分かった。 2)濁度,色度も,20分の処理で約半分になることが分かった。 3)濁度,色度に関しては、セラミックスフィルターを用いることにより、飛躍的に向上し、20分の処理でほぼ完全に飲料水と同じ値になることが分かった。 4)CODに関しては、オゾン処理やセラミックスフィルターによる処理では向上しないことがわかった。 以上の成果は,電気学会(日)やISNPT-3,JK2001等の国際会議で報告し,高い評価を得た。 今後は本年度できなかった,誘電体表面の粗さとオゾン発生量との関係を詳しく調べる予定である。またICCDカメラによる放電状態のモニタリングを行い,より高効率なオゾナイザの作製を目指す。加えて,本装置を用いた下水処理に関しても継続して行う予定である。
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