平成12年度 (1)反応性スパッタによる酸化タンタル膜の作製条件の確立と酸化タンタル膜上にスピンコーティングにより作成した2層構造薄膜を金属電極間でサンドイッチした基本モデルでの光伝播、変調特性を調査した。また、薄膜の光吸収および波長依存性を申請した分光器で調査し、光伝播特性、透過率、屈折率が測定された。 (2)今回のデバイスを実用化向するための微細なパターンの形成およびマスク設計を行った。酸化タンタルあるいは酸化チタン薄膜を得る方法として、種々の酸化法を調査検討するともに、実用性が期待される熱酸化法で微細パターンの酸化薄膜を形成するシステムの構築を行った。 平成13年度 (1)レーザ照射により光導波路パターンを形成するためにXYステージによりレーザ光の照射位置をμmオーダーで制御するための制御系を構築した。色素添加した高分子にArレーザを照射すると色素の光分解反応により照射部分が透明になる。一旦レーザ照射して透明化した部分の透過率は色素添加していない元来の高分子よりも透過率が大きく、可視光領域での光の伝送特性も優れていることがわかった。 (2)次に、金属タンタル薄膜をスパッタ法により形成して、同様のレーザ処理によりレーザ処理部の酸化タンタル化を試みたところ室温での酸化タンタル形成は無効であるが、基板を300℃から400℃に加熱しながらレーザ照射を行うことである程度選択的に酸化できることがわかった。また、酸化タンタル層上にネマティック液晶セルを形成し、試料に電圧印加を行い、外部電圧によって液晶配向が変化すると同時に酸化タンタルを伝搬する光強度が変化することがわかった。 平成14年度 前年度の結果から、液晶セルを結合した酸化タンタル薄膜光導波路において液晶層に電場を加えることにより光制御可能であることを見出した。本年度は、パルス発生器やデジタルオシロスコープを組み込むことにより、素子を流れる電流あるいは出力光の過度特性について調べ、素子の感度、応答速度等の性能評価ができた。 本研究(3年間)で得られた成果をまとめ報告書を作成した。
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