研究課題/領域番号 |
12450128
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高萩 隆行 広島大学, 工学部, 教授 (40271069)
|
研究分担者 |
坂上 弘之 広島大学, 工学部, 助手 (50221263)
新宮原 正三 広島大学, 工学部, 助教授 (10231367)
|
キーワード | 自己組織化膜 / オリゴシラン / チオール末端 / EL素子 / 金表面 / 電子物性 / 量子科学計算 |
研究概要 |
オリゴシラン自己組織化膜を用いた発光デバイスの開発を目指して下記の研究を遂行した。 (1)チオールを末端に有するオリゴシランの合成 R-(Si)_nR′R″-Rでnが8〜10程度のオリゴシランの合成を目指した有機合成実験に着手した。合成の基本方針はアミノクロルシランとクロルシランのカップリング反応を繰り返すことによってオリゴシランの分子量を逐次的に増大することを目指している。なお、本カップリング反応の触媒としては金属リチウム粉末を用いた。モノシランからジシランへのへの反応収率80%以上であった。現時点では、n=4のオリゴシランの合成を実現するまでに至っていて、今後これらをカップリングすることによって、当初の目的であったn=8〜10のオリゴシランが近い内に合成可能となるものと考えられる。なお、末端チオール化はオリゴシランの形成後末端基をチオール基に置換することで実現可能と考えている。 (2)金ナノコロイドの形成それを用いた量子効果現象の確認 オリゴシラン自己組織化膜を形成するための下地材料としてきわめて制御された状況の金が必要である。我々は、数nm〜十数nmの粒径を持つ金ナノ粒子を自己組織的に形成する方法の開発のその形成メカニズムについて検討した。金原料として塩化金酸を用い、有機系の還元剤で湿式法で還元することによって粒径分布が10%以下の高度に制御された金微粒子が形成できることが明らかとなった。また、この金微粒子の表面にアルカンチオール系自己組織化膜を形成したものについて、室温で量子効果の一種であるクーロンブッロケード効果を確認することに成功した。
|