研究課題/領域番号 |
12450135
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山下 努 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (30006259)
|
研究分担者 |
水柿 義直 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (30280887)
陳 健 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (90241588)
中島 健介 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (70198084)
|
キーワード | 高周波 / 磁界励起 / 超伝導量子干渉素子 / 粒界ジョセフソン接合 / コプレーナ型共振器 / ゼロバイアス電流ステップ / 電圧標準器 / 磁束量子 |
研究概要 |
本年度においては、高周波磁界の印加方法改善に関する実験と超伝導量子干渉素子を3接合のものに拡張した際の高機能化に関する数値計算を行った。YBa_2Cu_3O_<7-δ>粒界ジョセフソン接合(以下YBCO-GBJJ)を用いた超伝導量子干渉素子に高周波磁界を印加する方法として、素子とは別に用意した高周波共振器上に素子を配置する方法について実験を行った。その利点としては、1.高周波信号から磁界成分のみを素子に印加するための構造を、素子とは別個に設計できる、2.利用する周波数帯域にあわせて高周波磁界受信機構を設計することで、応答周波数帯域を広く取ることができる、3.同一の超伝導量子干渉素子を用いることで、応答特性の周波数依存性を系統的に得ることができる、などが挙げられる。まず数値計算により、マイクロストリップライン型共振器、およびコプレーナ型共振器の特性について、素子への磁界印加効率を求めた。その結果、コプレーナ型共振器において共振周波数での結合効率が高いことが判明した。次に、YBCO-GBJJからなる超伝導量子干渉素子とコプレーナ共振器とを結合させた系について、高周波信号を印加した際の応答特性を測定した。その結果、約20GHzの周波数領域において高周波磁界駆動型超伝導量子干渉素子の特徴となる応答特性が得られ、この高周波磁界印加法の有効性が示された。次に、高周波磁界駆動型量子干渉素子をこれまでの2接合のものから3接合のものに拡張した素子について検討した。数値計算の結果、位相の異なる2つの高周波磁界を素子に印加した場合に、ゼロバイアス電流においても定電圧ステップが発生することが示され、プログラマブル電圧標準器への応用が可能であることが分かった。この結果はNbジョセフソン接合集積回路を用いた測定においても実証された。
|