研究課題/領域番号 |
12450145
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
青木 徹 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (10283350)
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研究分担者 |
東 直人 静岡大学, 工学部, 助教授 (50192464)
中西 洋一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (00022137)
畑中 義式 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (60006278)
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キーワード | 高濃度ドーピング / 非熱平衡反応 / エキシマレーザー / ワイドギャップ半導体 / II-VI族化合物半導体 / 低温プロセス / CdTe / ZnO |
研究概要 |
ワイドギャップ化合物半導体は、短波長光デバイス材料として、また、ハイパワースイッチングデバイスとして重要視されているにもかかわらず、一般に自己補償効果によりp型またはn型のどちらかの高濃度ドーピングが困難でデバイス実現に際して大きな障壁となっている。特に直接遷移型半導体で光との相性がよいとされているII-VI族化合物半導体はその結晶の性質上イオン結合生が強く、熱による処理により結晶性が劣化してしまうものが多く、低温プロセスで、かつ高濃度にドーピングできるプロセスが必要であった。本研究で研究してきたプロセスはパルス幅20nSのエキシマレーザーを加圧下でドーパント原料を蒸着した試料上へ照射するもので、非常に短時間に非熱平衡状態で拡散を行う方法であり、試料の内部はほとんど加熱されない。これまでにドーパント特性に対するレーザー強度依存性が示唆されていたが、今回の基盤研究(B)で設置したレーザービームホモジナイザーにより1cm角の大面積に均一にドーピングが出来、またそれがレーザー強度に大きく依存することが明らかとなった。今回は、特にCdTe、およびZnOを中心として研究を進め、CdTeではパターン化されたドーピングとエキシマレーザーパターンアブレーションを組み合わせた集積化デバイスの形成を試み、デバイスとして実証およびプロセスが光・熱変換による拡散プロセスであることがわかった。また、ZnOにおいては困難であるp型において約10^<19>cm^<-3>の高濃度ドーピングを実現しこれらは学術論文、国際会議等で発表した。また、ドーパントにInを用いたn型ドーピングについてZnTeやCdTeで検討を行い、それぞれ発光ダイオード、放射線検出器としてデバイス動作するグレードであること実証した。深さ方向のコントロールについては、瞬間加熱による変化が示唆されており、今後詳細な検討と共にナノスケールレベルで制御が可能となると予測している。
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