研究課題/領域番号 |
12450147
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野田 実 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20294168)
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研究分担者 |
木島 健 シャープ株式会社, 技術本部・主任(研究職)
金島 岳 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (30283732)
奥山 雅則 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60029569)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 強誘電体 / MFIS構造 / 不揮発性メモリ / SrBi_2Ta_2O_9(SBT) / Sr_2(Ta_<1-x>,Nb_x)_2O_7(STN) / 保持特性 / 界面特性 / イオン化ポテンシャル |
研究概要 |
(本基盤研究の一連の成果の概要) 強誘電体/絶縁膜/半導体ゲート構造の作製、評価および考察を当研究計画に沿って進めてきた結果、以下の重要な結果が得られた。 1.強誘電体(SrBi_2Ta_2O_9(SBT)、Sr_2(Ta_<1-x>,Nb_x)_2O_7(STN)を主に検討した)自体のリーク電流がMFISダイオードのメモリ保持特性に強く影響することが示され、特にSBTの場合はプロセス処理によるリーク電流抑制により保持時間が1桁以上の2x10^4秒以上に改善されることが確認された。 2.強誘電体層中を流れる電流の存在が強誘電体層と絶縁体層境界界面に電荷の注入をもたらす結果、強誘電体に印加されている電界を次第に相殺するモデルを考案した。その結果、上記実験結果を定性的によく説明できた。 3.新たに考案したイオン化ポテンシャル装置で、O_2アニール前後のSBT薄膜表面を評価し、エネルギーバンド状態の検討を行った結果、アニール前にはSBTへのリークはホール伝導の効果が大きく、アニール後ホールに対するバリアが1.6eVから2.0eVへと増大することを明らかにした。同アニールによりリーク電流が減少し、メモリ保持特性を改善することが出来るという当研究成果を支持できた。 4.酸素アニール処理としてRapid Thermal Annealingの適用を進めた結果、1000℃、30秒の処理で保持時間を6x10^5秒(約1週間)以上、外挿推定保持時間として約3x10^7秒(約1年)の保持特性向上を確認できた。 5.加圧(7気圧)酸素アニールによりSBT薄膜表面に(Bi_2O_2)^<2+>層とは異なるBi_xO_yが形成されたと推測された。加圧酸素アニールによるリーク電流低減の傾向は、このBi_xO_y形成による効果である可能性が高いと言える。
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