平成12年度は、主として分散マネジメント伝送路中の固有光パルスに関する理論解析と、超短パルス伝搬のための伝送路の設計を行った。 1.分散マネジメント伝送路中の固有光パルスの解析 分散マネジメント伝送路における固有光パルスを数値的に求め、固有光パルスの性質と安定性について議論した。光ファイバ中の非線形パルス伝搬を表す非線形Schrodinger方程式に損失項、高次分散項、高次非線形項を加えた伝搬方程式を基に、上記の固有値問題を解き、固有光パルスを求めて、光パルスが高次分散などの効果に対してどの程度の耐力があるかを固有光パルスが存在するかどうかによって判断して、超短パルス伝送する上での究極的な伝送限界を求めた。 2.超短パルス伝送のための分散マネジメント伝送路の設計 固有光パルスがなるだけ現存するパルス光源に近くなるように光ファイバの分散と長さの組み合わせを調整し、分散マネジメント伝送路の設計を行った。また、周回ループ実験の構成について着手し、40Gbit/s伝送実験の基本的な動作を確認した。
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