研究概要 |
本年度は,ディレクトリサービス,ルーティング機構,サービス組織化機構の検討を推し進め,機能拡張を行うとともに,テストベッドやアプリケーションプロトタイプの構築をも進めた. 1.ディレクトリサービス機構の開発と実装 ピアツーピア技術の利点を取り入れ,ディレクトリをユーザが自由に起動終了できるようなアーキテクチャに設計を変更し,ディレクトリの並列化などによる負荷分散機能や耐障害性機能の実装を行った. 2.セマンティックルーティング機構の開発と実装 センサから得られた位置情報に基づき,位置情報に基づく"Geo"ルーティング機構を開発した.具体的には,「407号室の東南角の温度」などといった記述に基づいてセンサまでクエリーをルーティングする機構を開発し,プロトタイプ実装を行った. 3.サービス組織化機構の開発 機能を動的に呼び出す際に,機能間の接続性を考慮した発見ができるよう,ディレクトリサービスに「インタフェース自動補間機能」を追加した.さらに,特定の機能が見つからなかった場合に,その機能を等価化して合成できる「機能自動合成機能」も追加した. 4.テストベッドとアプリケーションプロトタイプの構築 セマンティックネットワークアーキテクチャコンセプトを実証するためのテストベッドの構築を進めた.また,本テストベッド上で動作するアプリケーションとして,ユーザの最寄りの機能を動的にバインドして遠隔会議システムを動的に合成するとともに,ユーザの移動に対して会議システムを透過的に維持できるサービスの実装を行った.
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