研究概要 |
本研究では離散ウェーブレット変換を用いた動画像および音声符号化/復号化システムの実現を目標に,フレームメモリ・ワークメモリ量を削減した離散ウェーブレット動画像符号化アルゴリズムとアーキテクチャに関する研究を行った.具体的には1)時間冗長性を考慮したウェーブレット手法の検討,2)ウェーブレット演算部のVLSI化設計,3)4相NMOS回路技術のCAD実装,4)ウェーブレット符号化・復号化システムの性能評価,および5)音声符号化処理のVLSI化設計を行った.研究を以下のとおり分担し,研究代表者がこれを統括するという形で研究を推進した. 1.時間冗長性を考慮したウェーブレット手法の検討) 動き検出をとりいれたアルゴリズムや,3次元ウェーブレットと本手法を演算量,圧縮率によって比較し,本手法の有効性を確認した. 2.ウェーブレット演算部のVLSI化設計 前年度に設計を行った演算コアの検証を行った.さらに,復号処理も含めた結合テストを行い,システム全体としての面積,遅延,消費電力の評価を行った.その結果をフィードバックすることにより,アーキテクチャ,詳細設計の改良を行った. 3.4相NMOS回路技術のCAD実装 前年度に設計を行ったアルゴリズムを改良し,ワークステーション上に実装した.大規模な回路へ適用し,その評価を行った.さらに処理の高速化のためのプログラムの最適化を行った. 4.ウェーブレット符号化・復号化システムの性能評価(石浦) 本手法を他のアルゴリズムやDSPによるソフトウェア処理を行った場合と比較し,実用化に向けての問題提起および改善を行った. 5.音声符号化処理のVLSI化設計 前年度に設計を行ったアーキテクチャ考案に基づき,検証用のCモデルを作成した.さらに詳細なRT(Register Transfer)レベルの設計を行い,ハードウェア記述言語を用いて設計,検証を行った.
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