研究課題
世界の研究ネットワークは超高速化し、次世代ネットワークの実現を目指している。平成14年1月から国立情報学研究所がSupersSINETの稼動を始めているが、世界の研究ネットワークも同様に新たな運用を開始している。米国Abilene、カナダCA*net4、欧州GEANT、オランダSURFNET等がその代表であるが、共通するのは、10Gbpsの通信速度を採用していいることである。このような超高速回線を使用するインターネットの主要な技術開発課題は、超高速回線間にインターネット・パケット(IPパケット)をルーティングする役割を担うルータのパケット制御性能を向上することと、超高速インターネットのIP制御に光通信特有の機能を導入することである。前者は、現在10Gbpsの物理速度に匹敵する25MPPS(million packet per second)の能力を限界とする性能を、40Gbps以上の制御を可能とする高速化を実現することである。後者は、超高速通信網が採用する光伝送手段である光ファイバ伝送路あるいは波長パスの制御を高速に実現することで、オプティカル・ネットワーク技術の開発を行うものである。このために本年度は、国立情報学研究所が保有するCISCO12406と米国Calient社製の光クロスコネクトを用いて光技術を用いるルータ(λルータ)を構成するために、両社を相互に制御するためのインタフェース・ソフトウェアを試作した。同時に、λルータの制御機能を測定する環境を、汎用パソコンを使用し試作した。(研究代表者:浅野、研究分担者:松方、藤野)平成13年9月11日の同時多発テロの影響で、米国Internet2並びにカナダCANARIE年次大会の開催が中止されたが、国際技術開発の場であるIEFTにて本研究開発の成果を報告し(研究分担者:松方)、アジア大洋州における学術研究ネットワーク開発研究組織であるAPANにて同様に報告した。(研究分担者:松方)また、欧州のオプティカル・ネットワークを開発しているDANTEと研究開発協力に関して会合を持ち、次年度の開発体制を検討した。(研究代表者:浅野)以上により、平成13年度の計画を予定通り実施すると同時に、世界の研究ネットワークに関係する研究者と技術検討を実施し、オプティカル・ネットワークの実用化に必要となる研究課題を検討し、研究を進展した。
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