研究課題
基盤研究(B)
インターネットに使用する基幹的通信機器であるIPルータ(インターネット用ルータ)の技術開発の中心は、高速化にあることはいうまでも無い。10Gbpsや40Gbpsの回線制御を可能とする高速化はその代表である。しかし今世紀に入ると、高速アクセスサービス競争の激化を背景として急速に幹線への負荷が増大し、また、Peer通信など少数の通信が、全体の3割程度に達するような利用形態が拡大する傾向が明らかになる。この事実は、従来のIPルータ主体のインターネット幹線では、経済的な運用が困難と予測するまでに至っている。このような急激な環境の変化は、インターネット幹線に採用する技術を抜本的に変えることを要請する。IPパケット中継を基本とするインターネットであっても、増加するトラヒックの全てをパケット中継(Packet Forwarding)に基づくより、トラヒックの特徴に合わせて積極的に光中継を活用することの有利性も無視できなくなる。近年光伝送関係機器の価格低下が著しいことも、この選択の妥当性を説明するものとなっている。以上を背景として、次世代超高速インターネット幹線を光ルーティング技術と全光高速伝送技術により構成する技術的可能性を示し、大規模ネットワークへの適用性を実証評価により検証することを目的として本研究が開始された。世界初の光ルーティング技術並びにGMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)と証する光ネットワーク制御技術の実証、同じく世界初となる40Gbps多重伝送システムにおける自動分散補償技術の実現と評価、全光2R/3R中継システムの実現と評価を研究期間で行っている。このような革新的技術の実現と評価は、次世代ネットワークの中心技術となるものであり、世界から高い評価を受けている。これにより、本研究課題の目標を達成した。
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