研究概要 |
(1)生体分子マイクロソータのシステム化(庄子・船津) 細胞や生体分子の搬送を目的として,昨年度基礎研究を行,たハイドロゲルのゾル-ゲル転移を応用したマイクロフロースイッチを改良してマイクロソータを実現した。昨年はメチルセルロースを用いたが転移温度が55℃と高く,生体物質への影響も大きいことから,新しい材料であるメビオールゲルを用い転移温度を36℃まで低減した。また,昨年手動で行ったスイッチングを光信号検出信号をもとにPC制御する自動システムにすることにより,ソーティング時間を100msec程度と大幅に改善することができた。試作したシステムをλpargeDNAのソーティングに適用し,80%の回収率が実現できた。 (2)マイクロフローセル型抗原抗体をイムノセンシング(庄子) サンプルや試薬の導入口に逆止弁を形成したシースフロー型マイクロフローセルについて,流体解析をもとに最適化を行い抗原-抗体反応を利用したイムノアッセイプローブを固定した生化学検出システムを実現した。 (3)高アスペクト構造マイクロ電極による超高感度電気化学センシング(庄子・本間) レドックス反応を利用したアンペロメトリックセンサの高感度測定を目的として,高アスペクト比リソグラフィ技術と電気めっきを組み合わせた3次元櫛歯電極構造を実現する技術を開発した。従来の2次元的な電極に比べ,拡散による酸化還元反応種の損失を低減することが可能になると伴に電極面積を増大させる効果もあり,大幅なかんどの増加が可能なことが実証できた。 (4)反応場制御マイクロセル(庄子) 金属薄膜電極やヒータをシリコーンゴムの一種であるPDMS中に埋め込むことにより,温度,電界など反応パラメータ3次元的に制御するマイクロセルの試作・評価を行った。製作方法として2種類の方法を提案し,いずれも目的の構造実現が可能であることを実証した。
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