研究課題/領域番号 |
12450170
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
古田 勝久 東京電機大学, 理工学部, 教授 (10016454)
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研究分担者 |
鈴木 聡 東京電機大学, フロンティア共同研究センター, 助手 (20328537)
畠山 省四朗 東京電機大学, 理工学部, 教授 (40138954)
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キーワード | 可変構造制御系 / スライディングセクター / 信頼可能制御系 / Lazy制御系 / 制御器切替安定化問題 / マルコフパラメータ |
研究概要 |
1.回転型の倒立振子を用い、提案してきた離散スライデングセクター制御系の実機検証を行った。その結果、実機特有の静止摩擦などの影響をほぼ相殺できる頑強な制御系を構築できることが示せ、その成果を学会で発表した。本手法は、従来の代表的な設計法であるLQR設計の場合では陽に考慮できない非線形摩擦などの影響で現実問題として発生してしまうチャタリング現象までも大幅に抑制できた点で非常に有効である。 2.上記の線形システムに対する可変構造制御系設計法を非線形リミットサイクルシステムに拡張し、システム固有の安定性だけでは周期運動を持続できないときのみ補正入力を加えるLazy制御系の設計法を示した。 3.受動2足歩行ロボットの能動制御にLazy制御理論を適用し、その有効性をシミュレーションで確認した。この場合、仮想重力に等価な状態フィードバック入力により動的な安定平衡状態を発生、すなわち自律的に歩行運動が発現するようにした上で、スライディングセクタの信頼可能範囲を、リミットサイクルの中心軌道近傍の漸近安定領域(tube)に対応させる。そしてシステムの状態がtubeの内か外に応じて制御則を切り替えることで可変構造系を構成している。 4.リミットサイクル軌道に垂直な断面もしくは不連続遷移空間に着目し、tubeの安定性強度、つまり信頼区間を特定断面内での状態量のノルム変動値として指標化する手法について提案した。このときさらに確率的アプローチを用い、リミットサイクルの継続確率からノルム減少空間を確率的に求めてこれを利用することで、Lazy制御系の性能の向上が図れることを歩行シミュレーションで確認した。
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